補聴器のいろいろな「困った」

 補聴器を扱っておりますと「補聴器を購入したのだけれど、結局は使わずにいる」という、お客様やその御親族からのお声を、悲しいかな割と頻繁に耳に致します。

 いわゆる“タンスの肥し”になってしまった理由を伺ってみますと、「面倒」「故障してしまった」 「うるさい」「音や声は聞こえるのに言葉が聞き取れない」「音質に違和感がある」というご回答が多いようです。

 

考えうる原因と、多少なりとも改善につながるであろう対策を列挙してみます。

 

面倒…最低限でも朝夕の着け外し(海外では数週間着けっぱなしにするタイプが登場しておりますが、日本での販売は今のところ情報が入っておりません)、そして日々のお手入れと電池の交換が必要ですので、将来の技術進歩に期待する他ないと感じております

故障…補聴器のタイプや、耳の体質にもよりますが最低1ケ月~1年に一度は私共のような業者による清掃や整備を必要とします

実際、マイクやレシーバー(補聴器のスピーカーをこう呼びます)の汚れや湿気詰まりで音が小さく又は止まっているケースは多く、無料の整備点検サービスを定期的に御利用頂く事で予防は可能です

メーカーでの修理を必要とする故障もありますが、大抵の場合は保証修理期間(強い衝撃や加熱・水分侵入の場合は例外となっております)が1~2年は用意されておりますので期間内であれば無料で修理が受けられますのでお気付きになられた時はお早めに業者に御一報くださいませ。

有料修理の場合でも「修理する・しない」を『修理見積のうえ判断』にする事も出来ますので、ご相談してみる事をお勧め致します。

言葉が聞き取れない・うるさい…デジタル補聴器が登場して以来「雑音を抑える機能」「言葉を際立たせる補助機能」は進化してはいるのですが…

 

①言葉を聞き取る・区別する神経などの働きがひどく弱っている場合は「快適に聞き取る」とか「ハッキリ聞き取る」という御要望にお応え出来ない事があります。補聴器で音を大きくして、物音と人の声のバランスを変えて、時には声の音質や成分を変えても「ハッキリ聞き取り」が出来ない。例えるならば、テレビ放送の電波の送り方を工夫したり、アンテナの設置に工夫をしても、「画面の劣化したテレビ」ではキレイに見る事が出来ないように、残念ながら補聴器の機能ではお役に立てない事もございます。

 とはいえ、各ブランドが心血を注いでいる“言葉の聞き取り能力を補助する機能”も進歩しております。

各ブランドが独自の機能を掲げておりますが“万能”ではないので、どの機能が一番効果的なのか(ブランドからもたらされる情報と、試聴された方々からのお声で大まかでも各ブランドの機能の特徴を掴んでいる)業者のアドバイスで候補を選定し、試して頂く事をお勧め致します。

時間も掛かる事ですが、仮に同じ程度の形状・金額の製品でも、装用している時の効果や聞き心地に大きな差が出る事も珍しくはありません。

 

②「うるさい」の中で最も嫌がられるのは“ピーッ”と鳴ってしまうハウリング現象です。これについては、装着している耳の穴と耳栓または耳穴型補聴器の外殻(シェル)の間の隙間から漏れ出てきた音が原因です(まれに、故障で鳴ってしまう事例もあります)ので、まずは耳にシッカリ装着する事が必須ですが、それでも発生する場合には耳栓やシェルを隙間のない形に作り替える事が必要になります。(補聴器本体の中身が劣化しているとシェルの作り替えが出来ない事もあります)

 

他に、実生活の中で身の周りに当然に存在する「物音」が嫌われる事も多いのですが、食器のカチャカチャ音、新聞紙やビニールの折れ曲がるクシャクシャ・ワシャワシャ音、スリッパで歩く音、キッチンなどで水の流した時のシャーッ音など主にキンキンした(高音とか高周波などと呼ばれる)音色が嫌われます。

聴力の良い方には不思議に映る事と思いますが、聴力の低下した耳というのは「小さい音への感度は下がっているが、刺激のある音はデリケートに嫌がる」ようになっている事が多いのです。

そうした感度・好みといった個人差もありますが補聴器性能によってはそうした「雑音抑制の強化」での対応や、「不快に感じる音の大きさの階層や周波数」を出来るだけ絞り込んで「控えめに調整」可能な場合もありますので、調整する技術者に御相談下さい

音質の違和感…補聴器の基本的な機能が「聴こえにくくなった周波数の音を聴こえる大きさまでアップする事」なので、補聴器を着ける以前に聞こえていた音と「音質・音量が異なる事」は当然の事ですが、ある程度違和感の少ないスタートにするカギは幾つかございます。

 

 ブランドを選ぶ。同じ聴力の耳に対しても、提案する「必要な音」「聞き取り易い音」はブランドや機種によってかなり異なります。

各ブランドが長年にわたり研究を積み重ねている成果なのですが、「聴こえる」というものが通り一辺倒のものではない事の証左とも思えます。

ブランドを選択する事を身近に例えるならば、香水の香りの好みとか、味噌汁の味噌の種類や風味といった、極めて個人的な嗜好でしょうか。

 追加調整の時に、違和感を感じた音についてなるべく具体的に伝えてみる。追加調整に“言葉の聞き取りを助け、かつ出来るだけ自然な感じ”に近付けるように調節する事は私達調整者の求める音でもあります。具体的なお話を頂けると、私達も手を加えるべき音の在処が掴みやすくなります。

 場合によっては聞き慣れるまでは少し会話聴取効果を控えめにして、慣れてきたら会話聴取改善を目指して音量を上げていくというケースもございます。

 

いずれにしても、焦らずに補聴器と向かい合って頂く事も必要です。

私共は「使われない補聴器」ではなく「役立ち・使い続けていける補聴器」が増える事こそが、補聴器の普及につながっていると信じております。

 補聴器が万能ではない事も、着ける事無く聞こえている健康が一番であることも承知しておりますが、もし補聴器という道具をお考えの節は『出来るだけ聞き取りやすく・快適に近い物を手にする為の案内人』として弊社にお声掛け頂ければ幸いに存じます。

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